照明を計画する際、色合いは重要ですよね。
今回はその色合い(光源色)についてまとめてみました。
単に色合いの雰囲気だけで決めるのはもったいないので、光源色の種類や特徴について知っておくと便利です。
光源色とは
LED照明の光源の色(光源色)は色温度によって分けることができ、K(ケルビン)で表します。色温度はKが低いと赤くなり、高くなるにつれて白、青と変化していきます。
光源色には種類があり、蛍光ランプは光源色により下記5つの区分に分類されます。
・電球色(L:Light)色温度:2600~3250K
・温白色(WW:Warm White)色温度:3250~3800K
・白色(W:White)色温度:3800~4500K
・昼白色(N:Netutral)色温度:4600~5500K
・昼光色(D:Day Light)色温度:5700~7100K
(参考文献:JIS Z9112)
ちなみに、ロウソクの明かりは1800K程度で、朝日や夕日が2000K程度、満月は4000K程度、太陽光(昼間)が5000K〜6000K、晴天の空が12000K程度になります。
加えてJISでは、下記のようにも分類分けがされています。
3300K未満・・・暖色
3300K~5300K・・・中間色
5300K超・・・涼色
(参考文献:JISZ9110)
色温度が低いほど、温かみを感じる色となり、高いほど涼しさを感じる色となります。
気温が低い地域には暖色を、気温が高い地域には涼色の照明を使うと良好な住空間を演出できるということです。
色温度=明るさではない
色温度は簡単にいうと色合いのことで、明るさ(照度)とは関係がありません。
電球色だから暗い、昼光色だから明るいということではないということです。
ちなみに照度の単位はlx(ルクス)で、環境により必要な照度を見極める必要があります。
色温度と明るさの関係は、オランダの物理学者のクルイトフの「クルイトフ曲線」を参考にすると、色温度に対して適している明るさ(照度)がわかります。
光源色それぞれの特徴
光源色には特徴があり、空間の用途や目的にあった光源色の照明を選ぶことが重要です。
住宅でよく使われる”電球色・昼白色・昼光色”を中心に、光源の色を一つずつ紹介します。
電球色(オレンジ)
日々の生活で目を酷使する時代において、目にも優しい電球色の照明はとても重要な役割を担っています。
色温度の低い電球色はオレンジ色に近く、夕焼けのような色をしています。とても落ち着いた色合いで、リラックスできる空間を演出します。
- よく眠れる空間づくりに
夜間に光を浴びるとメラトニンの分泌が抑制されるといわれており、就寝前に浴びる照明の明かりを低色温度とすることで、メラトニンの分泌の抑制を減らせるとの研究もあります。
- あたたかみが欲しい空間に
落ち着いたオレンジ色が温かみを演出してくれるため、寒さの厳しい地域には相性が良いです。温かみのある空間は気持ちも落ち着くので、リラックス効果もあります。
- 目が疲れにくい
電球色の照明は一般に、暗めに感じます。しかしその分、目が疲れにくいため、目を休めたい空間には電球色がおすすめです。
- 料理を照らす
電球色で照らされた料理は美味しく見えるといわれています。
ダイニングテーブルの上のペンダントライトなどを電球色にしてみるのもおすすめです。
温白色(オレンジ寄り)
温白色は、電球色よりも少し明るく感じます。
リラックスできる色合いなので、寝室などの落ち着きを求める空間に適しています。
電球色の照明より、少しスッキリさせたい空間に温白色を選ぶと良いです。
白色(少し白っぽい)
満月の明かりに似た白色は、自然なあかりに白っぽさが加わります。
白色の照明は、洗面やキッチンなどの鏡をみたり、手元をハッキリ照らしたい場所におすすめです。
昼白色より目に優しく疲れづらい明るさです。
昼白色(白っぽい)
ナチュラルと呼ばれることもある昼白色は、昼間の太陽光の明かりに近い色合いです。
自然に近い色合いとなるので、どの色か迷ったときは昼白色がおすすめです。
- メイクをする場所に
自然に近い色合いなので、メイクなどで使用する洗面所や鏡の前などの照明に向いています。外で人に合うときと似た光環境で映りを確認できます。
服装も、昼白色の明かりのもとで色合いを確認しておくことで、外に出たら印象が違うなんてことが起きづらくなります。
- 集中できてリラックスもできる
ダイニングなど、勉強や仕事などの作業場を照らす場所にもおすすめです。昼光色より色温度が低いので、集中できて、少しリラックスできる場所を演出したい場合は昼白色が合うかもしれません。
- 料理する空間に
火の通りを確認したり、出来上がった料理の色合いを確認したりするキッチンなどの料理をする空間にもおすすめです。自然光に近い昼白色の照明で料理の色合いをチェックできます。
昼光色(青白い)
色温度の高い昼光色は、青白い色でクールでスッキリとしています。
一般に、リラックスしたい場所に用いられる電球色とは反対に集中したい空間に用いられます。
- 集中したい空間に
青白い明かりは脳に刺激を与えるため、勉強や仕事など集中して作業したい空間に向いています。手元や作業面をはっきり見ることができるので、集中力を高めてくれます。
また、昼光色の青白い明かりは、脳を覚醒させて眠気を覚ます効果を期待できます。
その分、目が疲れやすくなるという側面もありますので、長時間使用する空間では調光機能で切り替えられるようにしておくと良いでしょう。
まとめ
照明の色合いは、目指す空間の雰囲気や空間の使い方によって向き不向きがあります。
光源色それぞれの色合い、特徴を理解した上で空間にあった光源色の照明を選定することが重要です。
また、空間によって違う色合いの照明を組み合わせて使うことで目的に合った空間づくりができますので、ぜひ試してみてください。
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