廊下の役割
部屋と部屋を繋ぐ通路としての機能を持つ廊下ですが様々な使い方があります。
その廊下をどのような空間にしたいかで、照明計画は大きく変わってきます。
通路としての機能性にこだわるのか、それともアート的な要素を盛り込むのか、はたまた部屋と部屋の間の落ち着いた空間として計画するのか、求める役割によって計画をする必要があります。
その使い方に合わせて、照明を計画していくと良いでしょう。
廊下の明るさは?
廊下の明るさは住宅では50lx(ルクス)、250lm(ルーメン)程度を目安に、明るくなりすぎないように計画します。
リビングなどの主要な部屋より廊下を明るく計画してしまうと、それらの部屋の雰囲気が下がってしまいます。このように他の部屋との明るさの差を意識しながら計画すると良いですね。
廊下の照明の色はリラックス重視なら電球色、見えやすさを重視なら昼白色
リラックスできる落ち着いた廊下をつくりたい場合、廊下の電気の色合いは電球色がオススメです。
廊下は部屋と部屋との間にあるため、寝る前や夜中も通る動線です。そのため、リラックスできる空間を意識して、色温度の低い電球色を選ぶことで眩しく感じづらい落ち着きのある空間を演出できます。
対して、廊下の隅などの見えやすさを重視する場合は昼白色がオススメです。外のあかりの色温度に近い昼白色は、外での見え方に似ており、自然な色合いでみることができます。また、廊下に収納がある場合で収納内部の見えやすさを重視する場合も同様に昼白色がオススメです。
バランスを重視して廊下にはダウンライトやシーリングライトを計画
廊下に生活動線としての機能を重視する場合は、生活で通る際にとにかく不便のないように、と考えてみることが重要です。
廊下の通路としての機能性を求める場合は、ダウンライトやシーリングライトで廊下全体を明るく計画すると、空間がバランスよく照らされ、違和感を感じることなくその機能を活かすことができます。
また、リビングや寝室などの仕上げを目立たせたい場合も、そのバランスを取るために廊下はバランスの良い照明計画を心がけると良いでしょう。
廊下のダウンライトの間隔で困ったときは?
廊下にダウンライトを計画する際、その個数や感覚を迷いますよね。
最終的には理科的に計算して明るさを確認する必要がありますが、最初は2.7メートル感覚で配置してみるといいと思います。
廊下照明の個数を減らしたいときはシーリングライトがおすすめ
シーリングライトは、天井に埋め込むダウンライトとは違い、天井に取り付くタイプの照明です。そのため、あかりの角度が広がり、たくさんの範囲を照らすことができます。
その分、廊下の照明の個数や間隔を減らすことができます。
天井が低ければシーリングライトがおすすめ
廊下の天井が低い場合、ダウンライトだと眩しく、ペンダントライトだと器具が近く開放感がなくなってしまいます。
そのため、天井が低い場合は廊下全体の明かりをカバーしてくれるシーリングライトがおすすめです。
アートや壁にスポット照明をあてて演出
最近の流行りとしては極力廊下は短くが一般的だと思います。コスト面や生活をする機能を重視した場合当然の選択だと思います。
しかし、間取りによっては廊下が長くなることがあります。また価値観によっては長い廊下があることで、落ち着きや居心地の良さを感じることもあります。
そんな長い廊下は照明計画を入念に行うことで、さらに価値を詰め込めることができます。飾ったアートや写真に照明をあてることでまるで美術館のような空間にもなります。
ダウンライトの位置を廊下の真ん中ではなく、壁際に寄せ壁やアートにひかりを当てることが効果的な演出になります。
またユニバーサルダウンライトやスポットライト、ブラケットでアート等にあかりを向けることでアートを中心にあかりが広がる廊下が演出できます。
廊下を間接照明でおしゃれに
廊下は通路としての役割が大きいと思います。そのまっすぐ奥行きのある空間は、照明の計画次第で廊下自体が幻想的なアートとなります。
廊下の天井に光を当て反射させるコーブ照明や壁面に光を当て反射させるコーニス照明などの間接照明を計画することで廊下自体をアートとして演出することができます。
廊下をフリースペースとして計画する場合はペンダントライトがおすすめ
一般的な廊下の幅は78センチ程度ですが、広い空間がある場合はフリースペースとして一つと部屋として計画することもあります。
その場合はペンダントライトを計画すると、その空間に立体感がうまれます。明るいところと暗いところが明確に分かれるため、その明暗によって目線を固定され安心感や落ち着きを感じられる空間となります。
ブラケットライトで廊下の壁をおしゃれに
ブラケットライトは廊下に複数並べることで奥行きを演出してくれます。
ブラケットライトは取り付ける高さに注意が必要で、アームや装飾の下端の位置を想定、把握してから配線の位置を決定する必要があります。
低すぎると頭やものがぶつかってしまう可能性があり、高すぎると空間のバランスがブサイクに見えてしまいます。
天井の高さにもよりますが基本的には180センチから190センチの間に照明の下端が来るように設置すると良いと思います。
足元灯で眩しくない廊下を計画
夜、廊下を歩くときに眩しいと思ったことはありませんか。
それが気になる場合は足元に灯りをつけることを計画します。壁に埋め込んだり、コンセントに取り付ける足元灯は、ダウンライトなどの天井に取り付ける照明より、目との距離が離れるため眩しく感じづらいです。
よる廊下を歩くときに足元灯だけでも充分と感じるシーンもありますので、とにかく眩しさを低減したい場合には、足元灯が有効です。
まとめ
部屋と部屋をつなぐ役割のある廊下の照明は、リビングなど主要な部屋に比べると照明計画が疎かになってしまうことがありますが、通路としてつなぐ役割をもっているからこそ照明計画を丁寧に行う必要があります。
他の部屋とのバランスや、廊下自体の空間の演出など、廊下の照明もこだわって計画してみてください。
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