今回は水回りの間取りのパターンと特徴、計画のポイントについて解説します。
暮らしの中で水回りの位置はとても重要です。トイレ、洗面、お風呂、キッチンなどの水回りは、生活していく上で必要な空間です。
日常生活で必要な洗濯や料理、掃除などの家事の中心には水回りがあります。そして、水回りのレイアウトはいくつかのパターンに分けることができます。そのパターンと特徴を知っておくことで、間取りを決めるうえで優先順位が明確になります。
水回りのレイアウトパターン(キッチンを除く)
よく使われる水回りのレイアウトのパターンをします。水回りのレイアウトはたくさんありますが、今からご紹介する3パターンの特徴をおさえておきましょう。
[パターン①]洗面脱衣室にトイレが隣接
洗面室の中に脱衣スペースと、トイレの入口があるパターンです。
ひとまとめにすることで無駄な面積をカットできる
水回りを一箇所にぎゅっとまとめて計画することで、廊下を少なくすることができるため、コストカットに繋がります。また、掃除の際の移動の手間も省けます。
[パターン②]洗面室と脱衣室が分かれていて、洗面室にトイレが隣接
①の洗面室が、洗面室と脱衣室の2部屋に分かれたパターンです。
気にすることなく洗面所とお風呂の同時利用ができる
洗面室と脱衣室が分かれているので、誰かがお風呂に入っている際、気にすることなく洗面所を利用することができます。親戚や友人などが宿泊に来ることを想定すると、洗面所と脱衣所が分かれているほうが便利です。
[パターン③]洗面室、脱衣室、トイレそれぞれが分離
洗面室、脱衣室、トイレそれぞれを分けて計画するパターンです。他の部屋との位置関係や家事動線を考慮して計画できます。脱衣室は洗面室から出入りできるパターンと出入りできないパターンがあります。
水回り一直線のレイアウト
トイレ、洗面室、脱衣室、お風呂を一直線でまとめるパターンです。それぞれ分かれていて、なおかつ近くにまとまっているため、動線の効率も使い勝手も良いです。
洗面コーナーを廊下などに設けるレイアウト
洗面室をなくして、洗面コーナーを廊下や階段下などに設けるパターンです。脱衣室と洗面室の用途を完全に分けるレイアウトです。廊下のスペースを有効活用することができます。
廊下に洗面コーナーがある場合、生活の際に動線が重なってしまう可能性があります。採用を検討する場合は朝の洗顔や、夜の歯磨きなど日常を想像してみて、洗面コーナーが渋滞にならないか、確認してみてください。
玄関近くに手洗いコーナー、トイレがあるレイアウト
玄関入って近い位置に手洗いコーナー、トイレを配置するパターンです。玄関入ってすぐに手を洗えるので、家の中をきれいに保つことができます。手洗いコーナーだけを配置することもありますが、横にトイレを計画するとトイレの手洗いも兼用できるので、手洗いコーナーとトイレをセットでレイアウトすることがあります。
水回りレイアウトのポイント(キッチンも含めて)
コストパフォーマンス・施工性を求める場合は…
水回りはまとめて計画する
水回りをまとめて計画することで給排水管の長さを短くすることができ、材料費や施工コストを下げることができます。基本的に水回りは近い位置に計画すると良いでしょう。
相性の良いレイアウト(パターン①②)
動線の効率を求める場合は…
水回り=家事動線 を意識して計画する
水回りの配置で家事動線の良し悪しが決まってきます。間取づくりの際は家事動線を考慮した間取りをつくるのか、他の部屋の間取りの自由度を上げるのか、どちらを優先的にまとめていくのかをはっきりさせておくことが重要です。
家事動線を考慮した間取りを作る場合は、キッチンやランドリーコーナー、外部の物干しとの動線も意識して計画すると良いです。
相性の良いレイアウト(パターン③)
来客動線を考慮しておく(玄関との動線)
お客さんが来た時にトイレ、手洗いを使用することを想定すると、水回りを分離させて計画し、トイレと手洗いを玄関近くに計画するとよいでしょう。
相性の良いレイアウト(パターン③)
水回りの音漏れやつまりに注意して対策をしておく
水回りのレイアウトの際は、音漏れや排水のつまりを想定して計画する必要があります。
2階建ての場合、寝室の真上の水回りは要注意
2階建てで1階に寝室を計画する場合、寝室の真上にトイレやお風呂、キッチンなどの水回りがあると、排水管を流れる水の音が寝室で聞こえてしまうことがあります。
音漏れへの対策として、まずは水回りの下に静寂性を求める部屋(寝室など)は計画しないようにすることが大切です。
敷地の形や間取りの計画上、どうしても上下で重なってしまう場合は、排水管に消音材や消音シートなどを取り付けることで音漏れを小さくするとよいです。
排水のつまりや水漏れを想定し、水回りをまとめておくこと
水回りの排水のつまりや、水漏れも想定すると、水回りの真下には寝室やLDKなどの居室は計画しないほうがよいでしょう。水回りを上下階同じ位置に計画するか、下階に収納を配置するなどして、点検・修理のしやすさを考えておきましょう。
点検口を床や天井に設けておくことも忘れてはいけません。点検口がないとなにか異常があったときに新たに点検口をつくる必要があるため、室内の目立ちづらい位置や収納の中などにあらかじめ計画しておくとよいです。
給排水管は床の下や天井の上を通っています。そしてその横引き管が長いほど異常が起こった際のリスクや異常が起こる可能性が上がっていきますので、水回りはなるべくまとめておくとよいです。
まとめ
水回りの間取りについて、よく計画されるパターンとそれぞれの特徴をご紹介しました。水回りのレイアウトは、家事動線とも関わるため、暮らしへの影響が大きいです。
水回りのパターンや特徴、間取り計画のポイントをおさえた上で、何を重視して間取りをつくるのか、優先順位を決めて水回りのレイアウトを決めるようにしましょう。
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