和風照明とは? ~種類と計画のポイント~

目次

和風照明とは?

和風照明とは和室などの日本の伝統的な和空間にあう照明のことです。

また時代の変化とともに洋室にも計画されるようになり、和モダンな空間を演出します。

和風照明は、素材とデザインが特徴的です。

和風照明は日本の伝統や文化を取り入れた照明のこと

和風という言葉、意味をざっくりと理解しておくことが、和風照明を理解する上で必要です。

”和風”というのは、日本っぽさのあることやものに対して使われていますよね。

日本の文化や伝統、それらにインスピレーションを受けていたり、それらを感じることができることを”和風”というのではないでしょうか。

そもそも”和”というのは、調和、平和を意味しており、おだやかな様を表しています。

つまり和風照明とは、日本の文化や伝統を感じ、空間との調和が取れている照明。そんなイメージをもっておくとよいです。

 

和風照明に使われる素材

照明器具の素材は、金属やプラスチック、ガラスなどが主流となっています。

それに対して和風照明は、日本の文化や伝統に馴染みのある素材が使用されており、自然素材をつかった照明が多いです。

今回は和風照明によく使われる素材である木・竹・和紙について紹介します。

 

木は日本の住宅と調和する

木は日本の暮らしにとても密接に関わっています。

まず日本は、森林の面積が約2500万ヘクタールあり、国土の67%が森林です。その割合は、フィンランドに次ぐ世界で2番の割合であり、約700種類もの樹木が存在しています。

そして日本の伝統的な住宅は、木材を活かした構造材や造作材の木材が化粧で見えることが多いです。

柱などの構造材が表しになった真壁づくりの住宅や、和室の床の間、長押、鴨居や敷居など、暮らしの至る所に木がみえ、常に木のラインが暮らしの中にあります。

木は日本の暮らしに馴染みがあり、木を使った照明は文化的にも和室などの和空間にとても相性がよいです。

 

伝統的な素材の竹が和風をつくりだす

古くから伝わる伝統的な素材として”竹”があります。日本では縄文時代の竹かごが出土されていたりと、日本の生活にとても馴染み深いです。

竹は常緑樹であり、一年を通して枯れることがありません。そのことからも古くから竹は神聖なものとして扱われてきました。

松竹梅と言われるように縁起の良い言葉にもなっています。中国では冬の寒さに耐える松竹梅のことを歳寒三友(さいかんさんゆう)と表現するみたいです。

竹はとてもしなやかに曲がり、折れにくいため、機械では作り難い曲線や柔らかい表情を作ることができます。日本の住宅にも、構造材や化粧材の一部として竹が使われてきた歴史があり、暮らしに馴染みの深い素材です。

シンプルで目立ちにくく柔らかい表情のある竹も和風照明の素材となります。

 

日本古来の和紙で日本らしさのある空間を

和紙とは、手漉きでつくられる日本古来の紙です。

みつまた、楮(こうぞ)、雁皮(がんぴ)の靭皮繊維が原料です。

繊維が長く、薄くても耐久性があります。

和紙は丈夫でありながら、あたたかみがあり、そのやわらかな表情が空間に調和します。

日本の住宅は、障子や襖など、紙を原料とする造作物が特徴的です。

和紙で纏った和風照明によって、一体感のある空間をつくることができます。

 

和風照明の飾り方(デザイン)

和風照明は、デザインで空間との和をつくることができます。

日本の空間との連続性やバランスを考える必要があります。

 

和室を引き立てるデザイン

和風照明は、木や竹などの素材で枠をつくり、その枠で幾何学的な文様をつくっているものが多いです。

そして日本の住宅や造作物にも、多くの”枠”の部分が存在します。

窓や建具、廻り縁などの空間の仕上げと、仕上げが交わるところには化粧の枠が取り付けられており、自然素材の温かみもあり、そしてメリハリのある空間が特徴的です。

それゆえに、和風照明の”枠”を感じさせる線のラインが和室などの和空間に、より調和します。

また、和室の特徴である柱や畳、床の間や障子などのラインと和風照明の線が連続性を生み、空間デザインの統一感を崩すことなく、和の良さを引き立ててくれます。

 

和モダンな空間をつくる

現代は和室のない家が多くなっていますが、”和”の空間の重要性は変わりません。

その性質上、控えめな和風照明は組み合わせ次第で洋風の空間にも調和します。

自由な空間づくりが流行っている現代では、和洋折衷がかかせません。

洋風の空間の中に和風照明を計画することで、部屋にあたたかみをプラスすることができます。和風照明は、デザイン的にもその背景的にも”静けさ”や”おちつき”を空間にあたえてくれるため、洋風の空間にも調和してくれるのです。

単に、洋風と和風と反対語のように扱うのではなく、その効果や目的に合わせて、バランスよく合わせていくとよいです。

 

まとめ

今回は和風照明についてまとめてみました。

どこか和っぽさを感じる和風照明は、和室にはもちろんのこと、洋室にも調和してやわらかく温かみのある空間を演出してくれます。

日本の文化や伝統を感じることができ、落ち着いた雰囲気を演出できる和室照明で和を感じる空間づくりをしてみませんか。

 

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この記事を書いた人

現場監督クロと、住宅設計士シロの建築士コンビが運営。


”住宅の間取りと照明”
についての知識・情報を発信中。

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