玄関ポーチとは
玄関ポーチとは、玄関の外の玄関庇下の空間のことです。
ポーチがあることで夏の暑い日差しや、台風などの雨風から玄関を守ってくれます。
建物の外観や、玄関の印象に関わってくるとても重要な空間です。
玄関ポーチは日々の暮らしの中で朝を見送ってくれて、夜出迎えてくれる、そしてお客さんも通ることの多い大切な空間です。
ポーチライト(玄関照明)
玄関の外側に計画するポーチライトは、機能面、意匠面の双方でとても重要な役割があります。
玄関へ向かうアプローチを照らす照明ですので、通行人からも見えやすく家全体の印象もその照明でガラリと変わります。
機能面
ポーチライトの明るさ
特にこだわりが無ければ、ポーチライトの明るさは白熱電球40w系相当を目安とすると良いでしょう。
ポーチライトは、玄関扉の鍵を開ける際に手元が見える明るさが必要です。
また、玄関ポーチには2段程度の段がついていることが多く、足元を確認できる明るさが必要です。
それをふまえた上で、建物の外観や道路との位置関係、他のエクステリアライトとの兼ね合いも含めて計画をしていくとよいでしょう。
ポーチライトの位置はドアノブ側に
玄関扉の吊元側にポーチライトをつけると、扉を開けたときに影ができてしまいます。
影はときに不快感を感じてしまうため、ドアノブ側に計画すると安心です。
例えば、新築の際に計画の途中で玄関扉の開き勝手を反対にプラン変更した場合、ポーチライトの位置も計画し直さないと吊り元側にポーチライトが設置されてしまうことになりますので、そのあたり注意が必要です。
リフォームの際も同様にドアノブの位置、玄関度の開き方と合わせて計画する必要があります。
玄関扉とポーチライトはセットで考えると覚えておくと良いです。
ポーチライトは防犯に役立つ
一般的にポーチライトで玄関周りを照らすことは防犯性能を向上させると言われています。
ポーチライトは、玄関周辺を明るく照らしてくれるため通行人など回りの人の目が届くようになります。
そのような状況では、犯罪者も心理的に犯罪を犯しにくくなるでしょう。被害に合わないための環境づくりの点でも、ポーチライトは役に立ちます。
夜に明かりが常灯しその明るさが調節されるタイプや、人が通ると点灯するタイプがありますので、防犯面も考えて照明を選定すると良いです。
センサー付きのポーチライトで省エネに
暗くなると明暗センサーが反応し待機状態となり人が近づくと点灯するタイプや点滅するタイプ、夜間になると常夜灯として明かりが付き人が近づくと明るくなるタイプなど、種類があります。
センサー付きのポーチライトは、省エネルギー性能・防犯性能が上がるため機能性抜群です。
LEDライトを採用
今ではスタンダードとなってきていますが、ポーチライトにはLEDライトを採用するのがおすすめです。
LEDライトは消費電力が少なく、省エネで高寿命なため電気代の節約になります。
また、LEDライトの明かりは紫外線の量が少なく虫がよってきにくいです。
意匠面
家の顔である玄関の外に取り付けるポーチライトは家の雰囲気を演出してくれる要素です。
ポーチライトにもたくさんの種類の照明が使われており、その形状や明かりの方向が重要です。
ブラケット照明でポーチをおしゃれに
ブラケット照明は外壁に取り付けるタイプの照明のことで、外壁に明かりが反射したり、ぼんやりとあかりのラインが映ることでおしゃれな雰囲気をつくることができます。
ブラケット照明には様々な形があります。電球にシンプルな傘(シェード)がついているものや格子状のカバーがついたものなどのアンティークなタイプ、アルミダイキャストやアクリルの箱型のカバーに覆われたシンプルなタイプなど、たくさんのデザインがあります。
・和風住宅には木枠やシンプルなデザインのポーチライト
和風住宅は木のラインが表しとなっている外壁仕上げが多いので、ポーチライトには照明の枠が木製で作られていたり、枠のラインがシンプルなものが調和しやすいです。
・洋風住宅には装飾のあるポーチライト
レンガや塗装仕上げではっきりとした印象のある洋風住宅には、アームにアカンサスの葉をモチーフにしたものが装飾されているブラケットライト等、曲線や自然を取り入れたデザインのポーチライトと相性が良いです。
・マリンランプでクラシカルな落ち着きのある外観を
船舶で使われていたランプで、格子状のカバーで覆われており、和洋どちらにも調和しやすいです。建物外部で雨風にさらされるポーチにマリンランプを取り付けることで、クラシカルで海のイメージのあるマリンランプが、より雰囲気のある外観をつくりあげます。
ダウンライトでスタイリッシュな外観を
玄関庇の裏側(軒裏)に取り付けるダウンライトは遠くからだと照明器具が見えにくいので、建物全体をシンプルに見せてくれます。
特に、照明のあかりが必要のないお昼に、外観がよりシンプルに映ります。
注意点として、ダウンライトは天井から下に向けて照らすため、手元まで光が届きにくいこともあります。その場合、ダウンライトの壁掛けのブラケットと併用することを検討するとよいでしょう。
スポットライトで演出効果を
ポーチライトにスポットライトも使われます。
スポットライトの明かりは直線的であるため、配置計画の難易度が上がりますが、壁やポーチに反射した明かりが建物を美しくみせます。
またスポットライトのあかりは縦向きに計画することが多く、その縦ラインは一般的には建物をスタイリッシュに見せる効果があるといわれています。外壁が縦方向に貼られている縦張りの住宅がスタイリッシュに見えるのもその効果ですね。
玄関建具、外壁などとの相性
ポーチライトを計画する際は、玄関建具・外壁・ポーチ庇の素材・色を考慮して選定すると良いでしょう。特に、住宅をシンプルに計画した場合、玄関建具と外壁のどちらからに似た素材・色で計画すると合わせやすいです。
それらを考慮せず計画すると、素材や色が疎らになり、まとまりのない印象となってしまうこともあります。
まとめ
ポーチ照明の特徴をご紹介しました。
ポーチ照明は、機能面・意匠面からとても重要な役割があるので、その目的をしっかりと意識して計画する必要があります。
家の外部に設置するため、通行人にはどう映るのか、そして外が暗いとき・明るいときを想像して選定するといいでしょう。
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