書斎を設ける場所と間仕切りの選び方

部屋と書斎

書斎は集中して作業のできる空間であり、暮らしの中で重要な役割果たしてくれるスペースです。限られた空間の中でどこに書斎を計画するかは大事なポイントになります。今回は、書斎の場所選びや間仕切りの方法についてわかりやすく解説します。

 

目次

書斎の場所を選び方

書斎にも適した場所があります。書斎の用途によっても変わってきますが、機能に合った場所の選び方がありますので紹介します。

 

静かな場所を選ぶ

書斎の場所を決める際に重要なことは、集中して作業ができるかということです。一般的には、騒音の少なく静かな空間ほどより集中力が高まるので、外部の騒音が少ない場所を選ぶことが理想です。そういった意味では、部屋と部屋に挟まれた空間よりも、部屋との繋がりが少ない外に面した部屋の角となる場所などがよいでしょう。

 

自然の光・風・音を取り入れる場所

集中して作業する空間をつくるためには、自然を感じれる空間であることも重要となります。敷地と周りの環境との関係性を考えて、景色の良い方向に書斎を計画し窓で繋いでみましょう。季節や時間によって移りゆく自然の光や風を感じられるとリラックスでき、集中して作業のできる空間となります。

窓際の自然光のふりそそぐ場所に机を配置することで、日中の作業を自然光のもと行うことができます。

 

生活動線や家族と近くに

”静かな場所”とは反対に生活動線の中や共有スペースに書斎をつくることもあります。家族とのコミュニケーションを大切に暮らしをつくることができます。視線や音が気になるときは、パーテーションやカーテン、ヘッドホンなどで集中モードに入り、普段は家族とコミュニケーションをとりながら作業をするというスタイルです。間仕切り方の工夫が必要になってきます。

 

書斎コーナーをリビングや寝室の中につくる

書斎コーナー

書斎コーナーはリビングや寝室につくることができます。書斎は1畳や2畳程度の大きさで十分機能するスペースとなりますので、部屋に収納を計画するのと同じように間取りの中に取り込むことができます。

 

家族との時間を楽しめるリビングに書斎をつくる

リビングは、家族みんなが集まり一家が団らんする場所です。リビングの一角に書斎コーナーを設けることで、家族とコミュニケーションをとりながら作業できる空間となります。。書斎というと1つの部屋というイメージがありますが、リビングの空間の中にある書斎エリアというような感じで暮らしを彩ります。

 

リビングの書斎にプライベートな空間をどうつくるか?

リビングの片隅に書斎コーナーをつくると、家族とのコミュニケーションが増える半面、どうしてもプライベートな空間ではなくなります。対策としては本棚やパーテーションなどでリビングと作業スペースを分ける方法が有効だと思います。完全に壁で間仕切ってしまうと壁による圧迫感がでてきてしまったり、リビングとのつながりが薄れてしまいますので壁で間仕切る際は、作業スペースからの視界の区切りとして必要最小限の間仕切りをいれて区画すると圧迫感を減らすことができます。

リビングの書斎でも小壁やパーテーション、本棚などで視界を区切ってあげることでプライベートな空間をつくりだすことができます。

棚やパーテーションを間仕切りとして使うと、部屋全体を俯瞰してみたときに空間の見え方に影響してくるので、間取りを決めるのと同時にどのような間仕切りにするかをしっかりと決めておきましょう。

 

リビングの書斎は音対策が必要

リビングの横は、どうしても音が聞こえてきます。家族の声や暮らしの音が聞こえるというのはリビングの書斎のメリットでもあり、デメリットでもあります。作業に集中する際はヘッドフォンをするなどの音対策が必要になることに注意しましょう。

 

静かな寝室に書斎をつくる

寝室は家の中で静寂性のある場所ですので、騒音の問題も少ない書斎をつくるのに相性の良い部屋です。プライベートな空間でもあり、静かな環境で集中して作業をしたい場合に向いています。寝室に書斎をつくる際もポイントがありますので紹介します。

 

書斎の机とベッドは距離を離す

書斎は静かな環境で集中して作業できますが、寝室も同じく静かな環境が一般的には好ましいと思います。書斎の机とベッドが真横や壁の表裏など近くに配置されていると、書斎で書き物などの作業をしているときに騒音になってしまうことがあります。夫婦寝室に旦那さんの書斎を計画するときなどは寝室の用途も考える必要があります。

 

書斎の照明が寝室の眩しさにならないように

寝室は全体的には落ち着いた明るさでゆったりとした空間となるように計画します。一方で書斎のデスクの上は、集中して作業ができるようにある程度の照度が必要となります。ですので書斎の明かりがベッドの枕元に来ないように対策をすることが必要です。デスクライトで作業する手元だけ明るくなるように計画しましょう。書斎の照明の特徴と選び方の記事では書斎の照明について解説していますのでよろしければ参考にしてみてください。

 

ウォークインクローゼットに書斎をつくる

ウォークインクローゼットは主に衣類の収納のために使う部屋ですが、通路幅も含めると書斎の空間がつくれる程度の大きさの部屋になることが多いです。また、ウォークインクローゼットは、壁で囲まれていてプライベートな空間をつくることにも適しているため、書斎とも相性が良いです。

 

自然光や風が取り込めない可能性が高い

クローゼットは、その用途から衣類の日焼けなどを考えて窓をつくらないことが多いと思います。書斎を計画する際は空気の入れ替えが十分にできるかどうか、衣類に日が当たらない足元に小窓を付けたり、換気扇を付けるなどの計画を考えましょう。

 

衣類の収納と書斎コーナーのバランスが難しい

ウォークインクローゼットに書斎を計画する場合は、衣類の量を想定して収納の量が足りているかを把握しておきましょう。書斎をつくったものの服がしまえなかったら元も子もないですから、どれだけ服を収納するかと合わせて計画をしましょう。

 

場所を選ばないスタディーコーナーを書斎としてつくる

部屋の空いたスペースに机と椅子をおきスタディーコーナーとすることで、書斎のような空間をつくることができます。キッチンやリビングなど、家族に囲まれた空間の中で作業ができるスペースになります。

間仕切りで囲まれた書斎と比べると本やノート、パソコンなどの机の上のものがリビングなどから見たときに視界に入ってしまうため、スタディーコーナーをつくる際は壁面や机に収納をつくっておくとデスクの上の整理整頓が捗るでしょう。

また、スタディーコーナーにもコンセントの計画も忘れないようにしましょう。デスクライトやスマホなどの充電のために必要となります。

 

書斎の間仕切りの方法

書斎は、寝室やリビングなどの部屋とセットで計画することが多いため、隣り合う部屋との間仕切りが重要になります。間仕切りの方法を紹介します。

 

パーテーションで間仕切る

パーテーションは移動可能で、簡単に空間を区切ることができます。部屋の模様替えにも動かして対応できるので、可変性にも優れています。

 

本棚や収納で間仕切る

書斎と、隣り合う部屋を本棚や収納棚で区切る方法です。棚を間仕切りとして利用するので、壁をつくるよりも効率よく収納も確保できます。

 

カーテンやスクリーンで間仕切る

カーテンやスクリーンで間仕切ると柔らかい部屋の雰囲気を演出できます。壁や建具を付けるのに比べて圧迫感が減り、より開放的な空間となります。

 

まとめ

書斎は周りの環境の影響を受けやすい部屋です。外の環境、そして周りの部屋とのつながりを考えて計画することが重要です。また、間仕切りの方法によっても部屋の雰囲気や使い勝手が変わってきますので、壁で間仕切る以外の選択肢も考えて、よりよい書斎の空間をつくりましょう。

 

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この記事を書いた人

現場監督クロと、住宅設計士シロの建築士コンビが運営。


”住宅の間取りと照明”
についての知識・情報を発信中。

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