書斎の照明の特徴と選び方

書斎の空間
目次

書斎の機能とは?

書斎はもともと、読書や書き物をする部屋という役割がありました。しかし近年では在宅ワークやゲーム、映画鑑賞など、多くの役割を持つ空間となりました。書斎の照明計画を考える上で、まずは書斎の機能についてまとめておきます。

集中できる環境として

書斎は何かに集中できる環境を作り出します。2畳や3畳程度の書斎も多く、狭い空間の中で視界もスッキリし、周りに気をとられることなく集中できる環境となります。

ゆったりと寛ぐ場所として

書斎は集中できる環境に加えてゆったりと寛ぐ場所でもあります。趣味の空間として、好きなものに囲まれてゆったりできる場所にもなります。

書斎の明るさはどれくらいがよい?

JISでは照度の設計基準が定められており、住宅の書斎も作業ごとでそれぞれ照度の基準が定められています。書斎の全般は100lx、書斎での勉強や読書は750lxが基準とされています。(出典:JISZ9110:2011 照明基準総則)

リビングや寝室と比べると比較的小さい部屋で計画することの多い書斎ですが、部分ごとに照度を変えて計画する必要がありますので、2畳程の空間でも多灯分散の考え方で明るさのメリハリを付けて明るさを決めていくことが重要だと思います。

※多灯分散とは、一部屋の中を複数の照明で明るくする考え方のことです。

書斎の用途に合う照明を選ぶ

書斎の使い方によって、照明計画も変わります。用途ごとに照明選びのポイントを紹介します。

  • 勉強や在宅ワーク

書斎を勉強部屋や仕事場として使う場合、集中できる環境づくりが必要ですので昼光色の明かりで手元を明るくするように計画すると良いでしょう。

昼光色の青白い明かりは脳に刺激を与えて、集中モードをつくるのに適しています。

  • 読書

本を読むための書斎は、勉強や在宅ワークなどと比べてリラックスした安らげる空間を目指して、電球色の明かりで空間を照らしてあげるとよいでしょう。手元には、多少の明るさが必要となるので、複数の照明で空間の演出と手元の明るさを計画するとよいでしょう。

  • ゲーム

ゲーム部屋として書斎のような部屋を計画する場合は、どこかを照らすというよりは空間全体で照明を演出する間接照明を利用したり、光のグラデーションでわくわく感と落ち着きを演出するのもよいでしょう。

  • テレビ(映画)

テレビや映画を見る部屋として計画する場合は、空間は主張を抑えて控えめに計画したいところですので、間接照明やスタンドライトで気持ち薄暗くなるような計画をすると良いでしょう。

書斎の照明の種類

書斎に向いている照明の種類と特徴を紹介します。

  • スポットライト

書斎はどちらかというと狭めに計画することが多く、その機能もあらかじめ決めておくことが多いです。本を読むためという計画であれば、本を読む場所も具体的にイメージできると思います。その場所が決まっていれば、スポットライトでピンポイントに照らせるように計画すると良いでしょう。おしゃれで 機能的な空間になります。

  • ペンダントライト

書斎のペンダントライトも計画次第でとてもおしゃれに仕上がります。ペンダントライトは器具が低い位置につり下がっていますので、通路には吊り下げないように計画することがポイントです。部屋のど真ん中に計画するというよりは、机の角に一灯ポツンと計画するように、アンバランスな位置に計画するとよいです。

  • ダウンライト

天井に何灯かを均等に計画すると部屋全体を明るくしてくれるダウンライトですが、書斎は明るさが必要な場所がだいたい決まってくるので、必要なところの真上にダウンライトを計画すると良いでしょう。

  • ブラケットライト

壁掛けタイプの照明であるブラケットライトは、近いほど明るく照らしてくれるため、書斎の机の奥の壁や棚の近くなどに計画すると良いでしょう。

  • デスクライト(置き型照明)

手元を明るく照らしてくれるデスクライトは、書斎に向いている照明のひとつです。持ち運びができるので、机の配置換えなどにも対応できます。

  • 間接照明

天井や壁を照らすことで、空間にグラデーションをかけて、安らぎの感じる空間を演出してくれます。リラックスできる空間をつくるのに適しています。

書斎の照明選びのポイント

主張の少ない照明を選ぶ

集中できる環境にする必要があるため、照明自体のデザインは主張の少ないデザインの物を選定すると空間に馴染みやすいでしょう。

リラックスできる環境を整える

集中できる環境とするには、リラックスできることも必要です。書斎全体を明るくするのではなく、空間の中に明るい部分と暗い部分を計画することで落ち着きのある空間になります。

複数の照明を組み合わせる

直接照明と間接照明や置き型の照明を組み合わせで計画することで、用途の変化や気分によって照明を変えることができます。

調光調色

書斎一部屋を様々な用途で使う場合は、調光調色機能のついた照明を選ぶのもお勧めです。

まとめ

照明の計画は用途によって変わってきます。書斎の用途に合わせて照明の計画をしていくと、自分だけの落ち着いた居場所になります。しっかりポイントを押さえてお気に入りの書斎をつくりましょう。

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この記事を書いた人

現場監督クロと、住宅設計士シロの建築士コンビが運営。


”住宅の間取りと照明”
についての知識・情報を発信中。

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