シーリングファンライトとは
シーリングファンライトとは天井に取り付けるシーリングライトなどの照明にファンが付いているもののことです。
シーリングファンライトは、照明としての機能以外に室内の空気環境に作用します。似た効果をもつものでサーキュレーターがありますが、シーリングファンは床に置き場を必要とせず省スペースに配慮でき、天井付近の空気を撹拌してくれる効果のある効率の良い設備です。
ACモーターとDCモーターの違い
シーリングファンにはAC(Alternate Current)モータータイプとDC(Direct Current)モータータイプがあります。ACモータータイプは交流の電源を使用し、DCモーターは交流を直流に変換して使用します。
ACモータータイプは比較的安価なものが多いです。また、DCモータータイプよりも商品数が多いのでよりたくさんのデザインから選ぶことができます。細かな風量の調整が不要な場所に特におすすめです。
DCモータータイプは消費電力が少なく省エネに寄与します。また、回転数や風量を調整できる商品が多く、振動などによる騒音も少ないです。静寂性を求める空間にぴったりです。
シーリングファンライトの効果
冷暖房の効率を上げ、室温を一定に
室内の温かい空気は上部へ滞留します。その滞留した空気をファンで撹拌することにより、室内の温度を一定に保ちます。全体の空気を撹拌させるため、直線的な風ではなく、フワリとした柔らかい空気が送られます。
冷房使用時は、空間の広さによっても変わってきますが、エアコンを28度設定とし、シーリングファンライトと併用することで、快適に過ごすこともできます。ファンの風速1m/sで、約3度体感温度が下がると言われています。
また、暖房使用時は、空間上部に滞留した温かい空気を床面近くまで送るため、足元をあたためることができます。
湿気、カビ対策
梅雨の時季など雨で窓が開けられないときも、ファンを回しておくことで湿気やカビの対策となります。
おしゃれな空間づくりに
シーリングファンライトには様々なデザインがあり、空間の雰囲気を変えてくれます。
圧迫感をつくらない白色
白色のシーリングファンライトは、空間に圧迫感を感じづらいです。一般的なリビングの天井にシーリングファンライトを取り付けるとズッシリとした感じが空間に広がってしまうことがあります。白色を選定し主張を抑えることで、空間の中に溶け込み圧迫感を感じづらくなります。天井の色が白色の場合はより空間に馴染んでくれます。
空間にメリハリを付ける黒色
黒などのダークカラーは空間を引き締め、メリハリをつけます。シーリングファンライトがアクセントとなり、シックなイメージの空間を演出してくれます。
木製の羽根が自然と調和する空間を
木製の羽根が使われているシーリングファンライトは、どこか柔らかさを演出してくれます。丸みのある有機的なデザインの物もあり、自然と調和する空間をつくります。
観葉植物などを飾る空間にもおすすめです。
吹き抜け空間の天井に
開放的な吹き抜け空間は上部の空間も広く、シーリングファンライトの設置に適しています。上部に滞留する空気を撹拌させてくれる効果に加えて、吹き抜け空間の立体的で落ち着きのある雰囲気もつくります。
ペットや子供が居ても安心
シーリングファンライトは、天井に取り付いているため、ペットや子供がぶつかって転倒などの心配がありません。外出時も安心してファンを回しておくことができます。洗濯物を室内干しして外出する際なども心配する必要がありません。
計画の際に気をつけるポイント
シーリングファンライトを設置する位置・高さ
近くに壁があると風が跳ね返り振動の原因にもなりかねないので、横の壁からの離隔距離を考える必要があります。商品にもよりますが、だいたい40~50センチ程度となっています。
高さは、床から2m以上を基本として、計画するとよいでしょう。こちらも詳しくは製品それぞれの説明書をご参照ください。
器具の大きさの選定は天井の高さで
天井の高さが2.4メートル程度またはそれ以下の場合は、コンパクトで羽根が薄いタイプのシーリングファンライトを検討すると良いです。
天井高さが上記よりも高い場合は、少し大きめのものも視野に入れると良いでしょう。
斜めの天井にも取り付けれるのか
天井が斜めになっている勾配天井にも取り付けることができます。メーカーや商品によって違いはありますが、吊り下げパイプを使用することである角度(商品によって違います)までは対応できるという感じになっています。
天井によっては取り付けできない場合もある
既存の天井の仕上げによっては、取り付けれない場合もあるので注意が必要です。シーリングファンライトは、取り付ける天井の裏に強度のある下地材(野縁など)が組んである必要があります。
和室の竿縁(サオブチ)天井などは、取り付けるのが困難なことが多いです。また、天井が経年劣化していて手で触ってペコペコする場合は落下の危険性もありますので取り付けないほうが良いでしょう。
シーリングファンライトは重さに注意する
シーリングファンライト本体の重さは10キロ以下のものが多いです。
天井に取り付ける際、配線器具にシーリングファンライトを固定するのですが、配線器具には耐えれる重さが決まっていて、引っ掛け埋め込みローゼットやフル引っ掛けローゼットなどの耳付きの配線器具であれば、製品にもよりますが10キロ程度まで耐えることができます。
耳のついていない引っ掛けシーリング耐荷重が5キロ程度となっていることが多いです。
配線器具が引掛シーリングの場合は、天井に向かって下地の位置を狙ってビスで固定する必要があります。
実際には、器具の質量の10倍の荷重に耐えれる場所への取り付けが求められていたりしますので、購入店に相談して取り付けれるかを確認すると安心です。
定期的な掃除が必要
シーリングファンライトは高所に取り付けられる上、羽根も大きいためホコリが溜まりやすいです。これは、扇風機やサーキュレーターと同じことですが、掃除のことも考えて置く必要があります。
ダウンライトとの位置関係には注意が必要
下からシーリングファンライトを見上げたときに、羽根の回る範囲の上にダウンライトが設置してあると、ファンを回したときに羽根がダウンライトのあかりと被ることがあります。
目がチカチカしてしまったり、不快感を感じてしまうことがあるのでダウンライトなど、他の照明の位置には注意が必要です。
まとめ
空間の空気環境を整えてくれる効果があり、体感温度を調整してくれて省エネ効果のあるシーリングファンライトは、機能的にとても優れていますが、大きくて重厚感があるため計画の難易度が高いです。
特徴を理解しておくことでその効果を十分発揮させ、おしゃれな空間をつくることができますので、ぜひ暮らしの中に取り入れてみてください。
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